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【ネタバレ有】NEWS LIVE TOUR 2017 NEVERLAND 初見感想

ブログ書くの一年ぶりだって奥さん。今年もツアー初見備忘録書かせて下さい〜〜!初日と2日目の1部参戦で、席はアリーナD3ブロ→C2ブロでした。Twitterでは書かないように気をつけてますが、この記事内ではセトリ・演出などなど思いっきりネタバレしてますのでネタバレNGな方は絶対に以降を読まないようにしてください。

  

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「ロメオ2015」をヴィクトリア朝英文学っぽく解釈した

 2016年4月20日、NEWS LIVE TOUR 2015 WhiteのDVD/Blu-rayが発売された。初回・通常版には共通のSpecial Reelとして、NEWSメンバー個々のソロ曲のMusic Videoが収録されている。今回は、その中でも「ロメオ2015」のMVがあまりにも英文学科卒*1の私の心に刺さったので、久々にレポート擬きを書きたくなって勢いで書いています。あんまり裏付けとってなくて記憶をひっくり返してますので間違いがあっても多めに見てやってください。※ちなみに追記からは完全に個人的趣味で小山くんが中世イギリスの良家の生まれだったら…?という話をします

 
 「ロメオ2015」は、そのタイトルと歌詞に出てくる「ジュリエット」から、かのシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』がモチーフとなっているのは自明のことと思う。まずはフラゲ日に帰宅してさっそくMVを見始めた私の興奮を表したツイートを引用させていただきたい。
 

 
 そもそもみなさんは、ゴシック小説なるものをご存知だろうか。以下Wikipediaより引用する。
 
ゴシック小説(ゴシックしょうせつ)とは18世紀末から19世紀初頭にかけて流行した神秘的、幻想的な小説。ゴシック・ロマンスGothic Romance)とも呼ばれ、その後ゴシック・ホラーなどのジャンルも含むことがあり、今日のSF小説ホラー小説の源流とも言われる。*2
 
詳細については脚注のリンクから参照していただくとして、ゴシック小説には幾つか特筆すべき定型的な特徴がある。
  • 古城・お屋敷が舞台
  • 当時の封建制度に囚われる女性の登場
  • 超自然現象の発生
私が専攻していたブロンテ姉妹は、こういったゴシックの影響を強く受けてかの有名な『ジェイン・エア』そして『嵐が丘』を書き上げたわけです。で、「ロメオ2015」のMVにはこれらの定型要素が大よそ含まれているように私には感じられた。ということで、これらについてMVの時系列に沿って述べていきたいと思う。
 
  • 古城
 ロメオのMVのロケーションが行われたのは、群馬県にあるロックハート城である。この城は実際にイギリス・エディンバラ近郊に存在した古城を日本へ移築したものであるそうだ。*3城の周囲には鬱蒼と木々が生い茂る。人里離れた古城という点でゴシック小説の構成要素としては申し分ないロケーションだ。小山くんもといロミオ一郎は、ジュリエットを探して駆け回る。
 
  • 封建制度に囚われた女性

 ロミオ一郎が血眼になって探すジュリエットと思しき女性が登場する。彼女はカーテン越しに外を観ている。彼女がいる部屋は恐らく2階以上に位置しているはずだ。探し回るロミオ一郎を上から撮影したアングルが多いのはそのせいだろう。あちこちを駆けずり回っていたロミオ一郎は、一か所だけ鍵がかかっていない扉を発見したのか、勢いよく建物の中へ飛び込んでいく。その少し前に塔が映り込むショットが挟み込まれているが、あれはジュリエットが塔に幽閉されていることを我々に暗示させるものである。

 ただ上の階の部屋にいるだけじゃないの?と思う方もいらっしゃると思うので少々補足をする。なぜ私がここで女性が「幽閉」されていると半ば断定しているかというと、この「幽閉」もまたゴシック小説(というよりは当時の抑圧された女性像)に欠かせない要素の一つであるからだ。

 ヴィクトリア朝当時の社会背景的には、女性は自らお金を稼ぐことはほぼなく、結婚して家庭に入る=家庭の天使となることが美徳とされていた。キリスト教の「女性は男性の肋骨から作られた」という思想に起因する、いわゆる男尊女卑的考え方がまかり通っていた時代。更にいえば、女性にはまともな勤め口さえなく、中産階級の女性が自活していくには、ある程度の学問を修めて、家庭教師(Governess)として新聞等に求人を出し、雇われた屋敷で家政婦同然に奉公をせざるを得なかった時代である。つまり当時の女性は、幼いころは父親の庇護の下で育ち、大人になってからは夫に従うといったように、その生涯に渡り経済的に男性に頼らざるを得ず、常に抑圧され続けていた。こういった封建制度に囚われた女性像は、しばしば物理的に建物に閉じ込められるという形で描かれてきたわけです。

 もうこの際本家ロミジュリは一切考えずに話を進めますが、私がこの場面から想像するロミオ一郎くんとジュリエットの関係性は次の3つ。

  1. 良家の令嬢ジュリエットとミドルクラスロミオ一郎の身分の違いの恋―タイタニック風味
  2. 逆にロミオ一郎の家柄の方が上―韓国ドラマでよくあるパターン
  3. 親が決めた相手と意思の伴わない結婚をしたジュリエットを真摯に思い続けるロミオ一郎が、彼女が住む家に乗り込んできた―ちょっと嵐が丘風味

 個人的には1+3を推したい。

 

  • 超自然現象の発生

  MV中に超常現象なんてなかったじゃん!?と思われる方が多いと思いますが、終盤ロミオ一郎が階段を駆け上がるシーンで、何かにハッとして足を止める。その後思わせぶりにジュリエットが腕をだらりとさせてソファーに横たわる画面が挟み込まれ、何かを悟ったロミオ一郎は床に崩れ落ち、頭を抱える。これこそが正に超常現象です。だってロミオ一郎はジュリエットをその目に見ていないのにもかかわらず、彼女に何かが起こったことを察知しているわけですから。*4きっと本家でいうところの仮死状態になる毒を飲んだっていうことでいいんでしょうね。そしてロミオは彼女が死んだと思い後を追って自害する、ここからは各々で想像しなさいよ、という余韻を残してMVは終わっているんでしょう。

 でもなんでロミオは彼女に何かが起こったことを察知できたのか?彼に何かを知らせることが出来る人物は一切登場しないし、彼女が服毒したことで何らかの異音がし、それがロミオに届いた、とも考えにくい。だからこれはテレパシーだと私は結論付けたい。

 テレパシーと言えば、『ジェイン・エア』の終盤を思いうかべる。主人公のジェーンは、ロチェスター*5との結婚式の最中に、彼が重婚していたことを知り、失意のまま屋敷を出て放浪、出会った宣教師の家にしばらく身を寄せる。しかしある日、ロチェスターが自身を呼ぶ声を聴き屋敷へ戻ると、そこには火事に遭い盲目になった彼がいて、二人は再会を喜び、これからの人生を共に歩む決意をする。という場面だ。ジェーンは屋敷に戻るのに馬車に数時間揺られることになるので、物理的に考えてロチェスターの声が彼女に届くのはあり得ない。でもそんなあり得ないことが描き込まれるのもまた、ゴシック小説の特徴なのである。

 

 「罪と罰の狭間で」する恋愛とはなんぞや、とずっと考えていたのですが、当時でいう「罪」っていうと女性はご法度とされていた婚前交渉か不倫かな…「絡めた指先にいつも感じていたためらい」「会えない夜に狂おしいほど」っていう歌詞からして関係を持ってるのは間違いなさそうなんだけど。「誰にも気づかれないように囁いた愛の言葉」「近くにいるのに埋まらない気持ち」というのは、距離感の近さを連想させる。そう考えると、この曲はずばり、「望まない結婚をしたジュリエットと、かつて彼女に仕えていた使用人ロミオ一郎の身分を越えた禁断の恋の物語」*6なのではないだろうか。

  全く文章がまとまらなかったけどもう無理やり〆る。つまるところ報われない小山くんが不憫かわいくてかっこよくて最高なMVでした!!!

 

*1:ヴィクトリア朝イギリス文学(というかブロンテ)専攻。シェイクスピアは専門ではありませんのでご容赦ください

*2:ゴシック小説 - Wikipedia

*3:http://www.jrs-w.com/lock-heart/castle.html

*4:もしかしたらこの崩れ落ちるシーンの前に彼女の「死」を目の当たりにしたのかもしれないけれど

*5:ジェーンが雇われていた屋敷の主

*6:チャタレイ夫人の恋人

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#ジャニヲタ節約術 を知りたくて

 突然だが、昨日、財布を開いて愕然とした。現金が2000円しか入っていなかったからだ。そのあとすぐに、そういえば新入社員歓迎会で20000円強を現金で立て替えていたことを思い出したが、それにしても最近は出費が多い。どうしてだろう、と一巡して、そうか、今はツアー中だ、と思い至った。*1

hatenanews.com

 

 少し前になるが、上記の記事を拝読した。私に限らず、ジャニヲタのみなさまはありとあらゆる面で彼らに関するコンテンツにそれはそれは惜しみなく、湯水のようにお金を使っていらっしゃることと思う。この記事に照らせば、私の年収はボリューム層に属しているし、一年間の公演数も(変動はあるが)0~20公演ほどなので、私はジャニヲタとしてはごくごく一般的な部類になるのだろう。しかし非ヲタの友人からは「よくそんなに(金銭的に)余裕があるね」と言われるし、理解のあるはずの親でさえ「もっと自分のために使ったら?」と半ば呆れている。自分でも、一応月々いくら貯金しよう、と思ってはいるのに、予想外の出費*2が重なったりして収支がマイナスになる月の方が多い。

 今の私はジャニーズにより精神の安定を得ているところがあり、ジャニーズ摂取量を控えることは無理に等しい。つまり、ジャニーズに対しての出費を抑えることは出来ない*3。加えて、私は物欲を抑えることが出来ないタイプだ。これは大学時代、家賃や生活費は全て親の脛をかじっていたため、人より若干多かったアルバイト代を全て自分の自由に使えていたことによるものだ。その時の金銭感覚のズレが未だ矯正されていない自覚がある。だからと言って経済水準はすぐに変えられるものではないし、せめて収支をマイナスにならないようにしたい。

 そんなわけで、私がこの記事を書く理由は2つある。1つは、現在の自分のお金の使い方を可視化して、見直すことだ。更にいえば、このように不特定多数の方が閲覧できる形で公開することで、何かしら自分にとっての発奮材料になるのではないかと考えている。お金の使い方と言っても、例えば食費がいくらで被服代がいくらで、などと列記するつもりはないし、食費がかかりすぎているからエンゲル係数を下げるために自炊を頑張ろう、などとありがちな目標をたてたいわけでもない。あくまでも私は、いかに今の生活水準を保ったまま、赤字を出さずにジャニヲタを続けていくかというところに重点を置きたいと思っている。

 そしてそのことがもう1つのこの記事を書く理由に繋がっている。あわよくばどなたかが参考になるメソッドを教えてくださらないだろうか、という期待である。ということで、かつて流行したハッシュタグにあやかって、私の #ジャニヲタ節約術、書いていきたいと思います。

 

  • マネーフォワード

f:id:zannennen:20160417165323j:image

 一時期すごいCM打ってたので使ってる方も多いと思う。所謂出納帳ですね。私がマネーフォワードユーザーである理由は、ずばりクレジットカード決済の比率が現金決済より多いから。マネーフォワードにクレカを登録すると、決済日の翌日にはいくら使ったかが反映されます。現金支出は手入力するか、レシートを写真にとって登録すればOK。給与等の入金額に対する出費をグラフで示してくれるのでかなり便利です。さらに言えば、マイルなどの各種ポイントを仮想資産として示してくれます。一気にあらゆるポイント残高を確認できるのもめちゃめちゃ便利。とりあえず、現場のあった去年9月のグラフのせてみました。凡例も何もないのでなんのこっちゃですみません。この月は舞台(×4回)があったので貯金は0円、収支は△35,000円程度でした。ツアーに比べると旅費が掛からない分、単純にチケット分が赤字になっている感じ。現場は必要経費だから仕方がないとして、私の家賃はだいたいお給料の1/3。これってちょっと高すぎるのかもしれない…

 

 飛行機大好きなので、マイルを貯めることが生きがいです。根っからのANA大好きマンなので、メインカード&ICカードオートチャージ用で2枚ANA系のクレカを所有している。毎年継続するだけで1000マイル×2貰えるのは結構大きい。あとクレカのポイントはだいたい1ポイントあたり3〜5マイルのレートでマイレージに交換できる。先日の札幌遠征はマイル特典航空券で賄いました。後は後述するポイントサイトを使って、ためたポイントをマイルに交換してる。そこまでガッツリやってるわけではないんだけど、大体年間国内2往復くらいは貯まります。結構お得。

 

  • クレジットカード

 先述した航空系カード×2、百貨店系カード×3を所持。百貨店系カードは、年間数回10%オフセールをやってるルミネとか。エポスカードはほぼ決済には使ってなくて、提示するだけで受けられるサービスや割引が多いので持ってる。基本的にスーパー等の日用品の買い物をはじめ、光熱費や受信料、携帯料金も全部クレジット決済にしてる。いろんな手間も省けるし、現金払いだとポイントは貰えないので。同じ金額を支払うなら、ポイントを貰う方が賢いしお得だと思いません?クレカのポイントはなかなかバカにできないところがあって、先述の通り半年くらい貯めとくと結構なマイル数と交換できる。

 

  • 各種ポイント

 ①ICカード

 首都圏在住なのでエリアが限られる話で恐縮ですが、私はPASMOユーザーなので、メトロポイントとTOKOPOポイントを貯めています。ただ東京メトロと都営交通に乗るだけでポイントが貯まって、しかもそのポイントはPASMOにチャージすることができる*4。定期圏内だとポイントは付かないんだけど、都内近郊在住の方ならメトロ or 都営線に乗る機会は少なくないと思うんですよね、これをドブに捨てるのって結構損!!!!!私も最初そんな貯まる?と疑問だったんだけど、TOKOPOポイントは始めて3ヶ月で500ポイントくらい貯まってた。1ポイント=1円なので、チャージしたら500円分として使えるんですよこれ。お得。

 

②共通ポイント

 TポイントとPontaを貯めてる。特にうちの近くのスーパーのポイントカードがTポイントなので勝手に貯まる。つ◯やを月に複数回利用すると会員ランクが上がって、ポイントが2倍、3倍になったりするので、雑誌を買うときなんかになるべくつ◯やに行って買うようにしたり。あとスーパーでは商品によって+10ポイントとか書いてるものがあるので、ちょっと意識して買う。スーパーのアプリをダウンロードして、指定された商品のクーポンを選んでおけば、その商品を買ったときにもボーナスポイントが貯まったりする。結構貯めやすいポイントだと思う。

 Pontaはローソンとかピザ取った時くらいしか貯めないのであんまり増減はない。でもホットペッパーで使える(し、JALマイルになる)ので、美容院行くときに使うべく地道に貯めてる。

 

  • ポイントサイト

 私は某ポイントの街だけやってます。経営母体が大手だから安心だし、アプリがあったり、Chromeのアドインがあったりしてずぼらな私でも取り組みやすいから。無料で化粧品のサンプル+ポイントももらえたり、普通に楽天とかで買い物したり、ゲームをするだけでもポイントがもらえる。その辺は詳しく書いてるサイトはたくさんあるのでそっちを参考にしていただければ。このポイントも私はほぼマイレージに交換してますが、他にも某銀行に入れたりして現金化することもできたりする。

 

 とまあ思いつくままにダラダラ書いてきましたけど、私がやってるのは節約でもなんでもない気がしてきた…要は私流の節約術は、普通に買い物をするだけじゃなく、ポイントを賢く貯めること!と言いたかったのです。季節は春、現場もハイシーズンで、私が津々浦々移動してるのはもちろんなんですが、他Gのツアーバッグを持ってる方とすれ違ったりすることも増えてきたような気がする。経済を動かしてるとまで言われるジャニヲタのみなさん、ぜひそのご自身の節約術もとい、ジャニヲタライフハックを私にご教示ください…!

 

 

*1:それにしてもツアー中、計上していたよりもはるかに多い出費に見舞われるあの現象はなんなんでしょうね?1日あたり食費等込みで+1万円で予算を組んでもいつも計算が合わない

*2:今年は私のNEWSファン12年の歴史の中でも例をみないほど出費が激しい

*3:病院に行くようなもので、必要経費だと思ってすらいる

*4:メトロポイントはその他にもいろんなポイントに変換できて、マイルへの変換レートも悪くないので、私はメトロポイントの方はANAマイルに交換している

【ネタバレあり】NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTO 初見感想

今年も最高にハッピーなツアーの季節がやってきました〜!パチパチ〜〜!ということで、スタートの地である札幌公演の感想をしたためたいと思います。ちなみに席は初日:北スタンド32ブロ中段→2日目:アリC2ブロ(埋もれ)でした。NEWSちゃんたちは「「「「セトリはネタバレしないで(>_<)」」」」と言っておりましたが、でも私は自分の初見の感想を大事にしたいので、演出や衣装の初見備忘録として、印象に残った曲をセトリ順にかいつまみながらつらつら書いていきます。NEWSちゃんたちの言いなりになんてならない!!!ネタバレ不可の方は絶対にこの先を読まないように!!!それでは追記から。

 
 
 

映画「ピンクとグレー」を観ました(ネタバレあり)

 1月30日、漸く「ピンクとグレー」を観た。ネタバレ大好きで映画館に行く前には必ずレビューを覗く私が、今回、いろんな情報を自分からシャットアウトしていた。理由は二つあって、一つは、あれだけ宣伝されていた「#62分後ヤバい」を新鮮な気持ちで楽しんでみたかったということ。もう一つは、誰かのフィルターを通されて、誰かの解釈が自分の中に入る前にこの物語を楽しんでみたかったからだ。単に物語の展開だけつらつらと述べた文章があったら私は間違いなく読んだだろうけれど、ブログ等にしたためられるものは絶対にある程度の熱量を持っているはずなので、自分から見ないようにしていたというわけだ。これは舞台「フレンド」を観劇したときに体験したことだが、自分で観る前にものすごい熱量のある感想を目にしてしまったために、実際に観劇する段になって、全てがなんとなく白けて感じられた。個々がどんな感想を持とうと自由なはずなのだが、その時は原因の予想がついていた以上、演者の皆さんをはじめ関係各所に失礼な態度だったのではないかと後々思えた。今回の映画はそうはしたくなかったので、ネタバレを避けるという人生で初めての行動に出た。

 

 さて、感想(考察ではないですよ)を書いていきたいのだが、今回は一切他の文献等を引用せず、ただ映画を見て私が感じたことだけ述べようと思う。先に言っておきますが、私は映画公開前に2度小説を読んだだけで、パンフレットもろくに読まず、プロモーションで出演した雑誌のインタビュー記事等も立ち読み程度にしか把握しておりません。よって、何か齟齬が発生する可能性は十分にあります。その辺りは一個人の感想として流していただければと思います。それでは追記から。書き終えて思ったんだけど、ただ自分の記憶を引き出してメモしただけの記事になってしまった…

 

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「ジャニーズ楽曲大賞2015」に投票しました

以下ただの記録というかメモ書きです。


楽曲部門1位 「愛言葉」 NEWS
 NEWSが我々ファンに向けたド直球なラブソング。個人的には正直音源化はせず、ライブでのみ披露する形をとってもよかったんじゃないかと思っているが、彼らがこの曲を大切にしてくれているのがひしひし伝わってくるので結果オーライ。


楽曲部門2位 「チュムチュム」 NEWS
 舞台をインドに設定したNEWSらしいトンチキ曲。現地の言語よろしく歌詞が右→左読みになっているなど意表をつかれた。コヤシゲをセンターに配置するなど、NEWSの新たな局面を感じた大切な曲。


楽曲部門3位 「Sweet Martini」 NEWS
 Jazzyでおしゃれな曲。さっきまでインドでチューしたい!って歌ってたかと思えば同じ円盤内でここまで正反対のオトナでムーディな曲を歌う彼らの振り幅には脱帽。


楽曲部門4位 「KISS KISS KISS」 KAT-TUN
  皮肉なもので、田口くんの脱退報告を期に耳から離れなくなり、2015年12月に一番聴いていた曲だった。アダルティーな雰囲気むんむんの洒落た曲といった印象。ホーンがキレッキレで雰囲気抜群。好き。


楽曲部門5位 「Moonlight walker」 A.B.C-Z
  全ジャニヲタが好きな感じの曲だと思う。ハットにステッキで踊ってほしい。耳から離れなくなって気づくと口ずさんでしまう。カウコンで聴けて嬉しかった。


MV部門 「KAGUYA」 NEWS
 「美の暴力」ともいうべきMV。妖艶で色気たっぷり、男版遊郭とでも言いたくなる。色遣いの巧みさは本当に蜷川さんといった感じだった。


未音源化部門シリウス」 NEWS
  毎年恒例ブラの曲。ブラの曲はシングル化されない法則。まだフルコーラスは完成していない(1番サビのみ?)とラジオで言及があったが、爽やかでNEWSらしい曲なのでいつか披露されることを期待したい。


現場部門 NEWS LIVE TOUR 2015 White
  “コンサートってこんなに幸せな空間だった”と再認識させてくれたツアー。一瞬一瞬が楽しくて、彼らからの愛を感じて、本当に幸せで毎回泣いていた。映像化を心から期待しています。


コンビ部門 小山慶一郎手越祐也
 こやてごの急接近が目立った年だった。月に何度もプライベートで飲みに行き、酔った小山が手越の唇にキスをするなど、萌えの提供に余念がない。手越の小山へのいたずらもどんどんエスカレートしているが、なんかもう楽しそうだからいいか、と周りが流され始めている。「ラブラブ」という言葉を送りたい、そんなコンビである。

『Burn. -バーン-』を読んで

 

Burn.‐バーン‐ (単行本)

Burn.‐バーン‐ (単行本)

 

  加藤シゲアキ先生の著作を読んで感想を述べるシリーズの4回目は、『Burn. -バーン-』(以下『Burn.』)について。今回も実家へ戻る飛行機の機内で読了した。それにしても私はシゲちゃんの本を飛行機で読みがちである。ものすごいとりとめのない文章になってしまってちょっと恥ずかしい。追記から。

 

 『ピンクとグレー』を思わせる、過去と現在を行き来して物語が展開していくこの作品。すごく読みやすかった。途中もうちょっと説明があった方がいいと感じる場面は何度かあったが、全体にわかりやすかったように思う。読後感としては、「渋谷サーガ」3作品のなかで個人的には一番好きだった。

 

 簡単にあらすじを述べる。新進気鋭の演出家として活躍するレイジは、演劇のアカデミー賞と言われるウィッカー賞を授賞、晴れて“ウィッカーマン”の仲間入りを果たす。その受賞式で、レイジは子役時代に共演していたという世々子と再会する。しかしレイジは、その当時の記憶だけがポッカリと抜け落ちてしまっていた。新作の舞台の準備に行き詰ったレイジは、当時の記憶を徐々に取り戻していこうとするが―。こんな感じだろうか。

 

  • 「レイジ」という名前 

 まず私が注目したのが、主人公の名前「レイジ」だった。恐らく他にも指摘している方がいらっしゃることと思うが、「レイジ」という名前から英単語の“rage”を想起することは難くない。

1 激怒,憤激,憤怒;(…に対する)激しい怒り(at,against,over...);発作的激怒,怒りの発作[激発].

2 (風・波・火勢・病気などの)激しさ,大荒れ,猛烈さ,猛威;嵐,暴風

3 (感情・欲望・空腹などの)激しさ,強烈さ

4 強い欲望,渇望;(…を求めての)熱望;欲情,色情(for...)

5 熱心,熱意,熱情;感興,霊感

6 (the rage) 非常に人気のあるもの;売れっ子

7(古) 狂気.

8(俗) らんちき騒ぎ,浮かれパーティー,ダンスパーティー.

all the rage 大流行で,大はやりで

出典:ランダムハウス英和辞典

 

  物語を読み進めると、この“rage”という単語のもつ意味が、徐々に主人公の「レイジ」と重なっていくのがよくわかる。全てを達観したような子供で、常に感情を押し殺していた売れっ子子役のレイジは、ホームレスの徳さんとドラァグ・クィーンのローズとの出会いによって、ようやく自らに与えられた名前の通り「レイジ(rage)」へと変貌を遂げていく。それまでは感情を押し殺していた彼は、求められる演技と自分の理想とする演技との間に差異があったとき、これまでにない熱意をもって監督に意見する。監督に対しぶちまけたその思いが叶わなかったとき、再び感情の門戸を閉じるかに見えたレイジは、母親の小百合に対し、その憤怒の矛先を向けるのである。そして、徳さんの死後上級生のいじめっ子に徳さんやローズとのかかわりを馬鹿にされたレイジは激しい怒りを覚え、それを全身全霊でぶつけるのだ。この時彼は「身体に亀裂が入ったみたいに、感情が零れていく」「どばどばと溢れる感情は歯止めが利かず、喋れば喋るほど亀裂は大きく広がっていった」*1とまで述べている。物語の冒頭の激しさや熱さとは無縁だったレイジを思えば、彼がいかに大きな変化を遂げたかわかるはずだ。

 もちろんこの物語は、与えられた世界の中でしか生きてこなかった世間知らずの少年レイジが、一風変わった人々と出会い、交流を持つことによって新たな扉を開き自我を芽生えさせていくという、彼の成長物語として捉えることもできるだろう。しかし、他人の顔色ばかり窺って、自らの感情を心に秘めていたかつてのレイジは、果たして本当のレイジだったと言えるだろうか。ずっと抑圧されてきた本来の「レイジ(rage)」が爆発(Burn)し、真の「レイジ」が表面に顔を出す過程が描かれた小説と捉えることは出来ないだろうか。

 少々脱線するが、例えば安達秀夫は名前の持つ恣意性についてこのように述べる。

名づけること、あるいは命名が、相手に対する一種の権力の行使であることはよく知られている。たとえばアダムが、目の毎に連れてこられた動物たちすべてに「名前」をつけているのも、そうした動物たちに対する人間の「支配権」もしくは「統治権」を示すものだった(「創世記」1:28)。*2

  物語における命名は、基本的に作者が行うものだ。作者の手によって、登場人物の誰かが「(名付け)親」としての役割を与えられ、他の人物へ名前を授ける場合もあるだろう。*3『Burn.』ではレイジの名前の由来や名付ける過程は特に述べられていないから、作者である加藤シゲアキが、レイジに「レイジ」という名前を授けたことになる。

 名は体を表すとはよく言ったものだが、レイジが「レイジ」という名前を手にしたとき、その瞬間からレイジは「レイジ」として生きていくことを余儀なくされてしまう。*4どんなに始めはレイジらしくなくても、生きていくうちにレイジらしさを身に纏い、レイジとして立派に成長していくことを求められるのである。「レイジ」とはそんな抑鬱した感情を爆発させることで、人間らしく成長して欲しいという作者の願いが込められた名前だったのかもしれない。もちろん、この辺りは作者に投影して読んだ方もいらっしゃることだろうと思う。

 

  • 「火」「炎」の描写

 続いては「火」や「炎」の描写について。タイトルである『Burn.』にも通ずるこの描写だが、少々しつこいほどに、執拗に繰り返される印象を受ける。

  私が「火」と聞いて真っ先に思い浮かんだのは、ソローの『ウォールデン 森の生活』*5だった。この物語をすっっっごいアバウトに要約すると、文明人であるソローが、森の中にあるウォールデン池の湖畔の小屋で二年間自給自足の生活をした際の記録なんですけど、『森の生活』冒頭で、ソローは「熱」についての独自の見解を展開し、人間が食べることと、燃料を燃やして暖をとることを「熱」を保つものとして同等と位置付ける。

  この『森の生活』の中で、ソローは「熱」に対する人々の受容の違いについて、ダーウィンの言葉を引き合いに出してこう述べる。

彼の一行は十分に着物を着て火のそばに坐りこんでいてちっともあったかすぎるということはないのに、それらの裸の野蛮人はもっと火から遠くはなれているにもかかわらず、「そんなにあぶられるのでたらたら汗を流している」のを見て、自分は大いにおどろいた、と。同様に、ニュー・ホランド人は、ヨーロッパ人が着物を着てふるえているのに裸でいてちっとも困らないそうである。これらの野蛮人の頑丈さと文明人の知性とを兼ねそなえることは不可能なことだろうか?*6

 

 ここで述べられているのは、典型的な文明(=都会、先進国、裕福)VS野蛮(=田舎、途上国、貧困)の構図である。「熱」を保つということに関しては全ての人類に共通することなのに、文明人はしばしば富を持ち学もある自分たちの方が優秀であると思い込む。しかし、貧しさゆえに教育を受ける機会がなかったことと、持って生まれた賢さは天秤にかけることができない。例えばディケンズの『オリバー・ツイスト』は、もともと高貴な身分の生まれの者がどんなに落ちぶれても、最終的に元の身分に回帰すれば幸せに暮らすことが出来るという物語だし、バーナード・ショーの『ピグマリオン』のように、いやしい身分の者でも努力すればそれ相応の階級のように振る舞うことが出来るという物語だってある。ソロー自身、出稼ぎに来ている木こりについて「彼は、人生の最下層にも、いかほど常住に卑賤で無学であろうとも、常に独自の見解をもち、あるいは全然わかったような顔つきをしない―暗く泥深いかもしれないが、あだかもウォールデン池がそうであると思われているとおり、底知れない天才的人物が存在するかもしれないことを暗示していた*7」と述べている。

 そろそろこいつ何の話してんの?って思われそうだし、大学3年の時に書いたレポートから内容を持ってきてるのがバレそうなので話を戻す。なんでここまで一見無関係な話をつらつらしてきたかっていうと、この文明VS野蛮の構図って、レイジと徳さん(そしてローズも?)の関係と一緒なんじゃないかと思ったからだ。

 レイジは確かに孤独だった。家庭にも学校にも職場にも自分を本当に理解してくれる人なんていなくて、いつも周りが求める子供らしさを演じているような子供だった。でも見方をかえると、離婚してもなおレイジを育て、彼の仕事のために奔走してくれる母親がいる。自分で稼いだ富だってある。みんなが羨むような芸能界の人々と交流を持つことだってできる。レイジは間違いなく成功者の部類に入るはずだ。

 一方徳さんは、かつて経営していたバーが火災になって以降ホームレスとなった。出火原因は煙草。これは私の推測だが、その火事で亡くなったという「くぜ ちよこ」という歌手は、徳さんの最愛の人であったんだろう。そんな徳さんが渋谷再開発浄化作戦への抗議の焼身自殺を実行する。ホームレスでありながら頭の回転は速く、物知りで、マジックだって達者だ。間違いなく優秀な人間であったはずの徳さんだが、ホームレスである以上彼は否応なく野蛮人に分類される。

 確かに成功者であったレイジだが、幸せではなかった。お金があっても、心は貧しい子供時代だった。対して徳さんは、確かにその日の暮らしに困るようなホームレスであったかもしれないが、心は豊かで、いつも楽しそうにみえた。物理的な貧困と、心理的な貧困は反比例する、というのがソローが『森の生活』で述べたことであり、これは作者が『Burn.』で述べたかったことの一つでもあると私は考えている。

 

 私には、徳さんはとにかく温かい人にみえた。私の解釈だが、ヘビースモーカーだったのは、恐らく火災で亡くなった「くぜ ちよこ」さんを忘れないためだろうと思う。そして、抗議の手段に焼身自殺を選んだのも。彼はきっと自らの身体に火を放つ機会をずっと待っていたんじゃないのかなぁとさえ感じてしまう。それほどまでに「火」のイメージが付きまとう人だった。

 

 『ピンクとグレー』はごっちとりばちゃんの物語であると同時に、主人公河鳥大が執筆した、自殺した幼馴染白木蓮吾についての暴露小説(作中では映像化され、河鳥が白木役として主演を務める)のタイトルである。『Burn.』も同様で、この小説の表題であると同時に、作中レイジが脚本を書き上げ、主演を務める舞台のタイトルでもある。なぜ彼は『Burn.』というタイトルを付けたのだろう。私は考えてもそれらしい理由付けが出来なかったので、誰か考察してみてほしいなぁと思う(他力本願)

 

 作中に出てくるレイジ・アゲインスト・マシーンの「ゲリラ・ラジオ」。少し調べてみたのだが、これは3枚目のアルバム「バトル・オブ・ロサンゼルス」に収録されているようだ。その3曲目の「Calm Like A Bomb」と、5曲目の「Sleep Now In The Fire」がなんとなくこの小説にリンクしている気がした。ずっと爆発前の爆弾のように静かだった幼少期のレイジに火を点けた徳さんは、今や火の中で静かに眠っている。

*1:『Burn.』p.219

*2:安達秀夫(1997)「ダーバヴィル家のテスとヤヌスの神話(1)」、『立正大学文学部研究紀要』13:1-42.

*3:例えばハリー・ポッターシリーズにおいて、"ハリー"の名付け親はシリウス・ブラックであると明かされる場面がある。harryという単語には"慢性的に悩ませる"という意味があるが、ハリー自身ウォルデモートとの戦いで生き残ったことで、自らの意思に反し常に注目を浴びることに悩んでいたので、この命名はある意味正しかったと言えるかもしれない

*4:最近流行りのキラキラネームだと、どんなに真っ当に生きても名前に追いつくことは出来なくて、改名でもしない限り名前に負け続ける人生を送るのだろうか

*5: 

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)

 

 引用箇所の頁は 神吉三郎訳『森の生活(ウォールデン)』岩波書店、1991.より

*6:『森の生活』pp.29-30

*7:『森の生活』p.198